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2010/09/18

大阪のおっさん、珍しく定番観光地をゆく。

◆9月7日(火)
 今日は立山黒部アルペンルートを走破する日です。有名な超観光地って、人混みが苦手な僕はあまり行かないのですよね。でもここは以前から自分で行ってみたかったんです。でも休日は混雑する、ということで思い切って夏休みに来てしまいました。今回の旅行、今では水平歩道が目的地でメイン、になった感がありますが、最初の目的地はここだったんです。

 朝、魚津駅まで出てくると、見なれた電車が停まってました。「サンダーバード」。この列車は一往復魚津着発が設定されていて、大阪発の昼行特急では一番遠いところまで来る電車がこれです。一番端の魚津で見るのは初めてのこと。勢いで乗ってしまいます。これに乗っちゃうと、大阪まで帰れちゃうんですよね。

 まだまだ旅の途中なんで、帰らず富山で降りちゃうけどね!と旅も中盤にさしかかる頃、まだまだ余裕ですwink地鉄電車なら相当な時間がかかる富山までの区間、JRの特急だとわずか15分ほどで到着。電鉄富山駅に向かいます。ここからはいよいよアルペンルートへ出発。駅の窓口で通し乗車券を買い求めると9,230円。結構な額ですね…。8時8分発の寺田経由立山行き(岩峅寺~立山間臨時延長)で出発です。

●富山(標高7m)→立山(標高475m) 富山地鉄
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 さてトップバッタ-の富山地鉄。思い返すと、この私鉄、平日の乗るのは初めてかも。

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 3両編成、2両×2の4両編成に平日を感じてしまいますねえ。定時に出発。こちらも立山までは乗ったことがあるので、慣れた道のりです。上滝線との接続駅・途中の岩峅寺にやってきますとさっき見かけた3両編成の電車が…。どうやら富山を2分後に出た南富山経由の普通電車のようです。ほぼ同発だと寺田経由より南富山経由のほうが速いのね…。知っていたら未乗の上滝線のほうに乗ったのに…残念なことをしました。

 にしても富山地鉄、結構な本数がありますね。全体的には本線?というのか人口が多いっぽい宇奈月温泉方面シフトですが、立山方面に特急の運行が少ないのが意外でした。せめて夏季期間中、ハイカーさん向けに5~8時台くらいは1本/時あってもいいような…。ただ、富山駅前から室堂までバスも出てますので、急ぐ人はそちらに乗るのかもしれませんね。

 岩峅寺を出ると風景は山が大きく現れ、駅間も急に長くなります。千垣という小駅を出たところにある鉄橋が趣があって、写欲をそそられましたが、これはまたの機会ですね。20人程度の乗客を乗せ、定時到着。

●立山(標高475m)→美女平(標高977m)立山黒部貫光・立山ケーブル
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 されいよいよピーク時は混むらしい区間に突入です。キップを持っていても窓口に並び、乗車列車の指定を受ける必要があるらしく、窓口へ赴くと…。

 空いてましたhappy01しかも相当happy01さすが9月の平日です。時期的に良かったみたいです。まったく並ばずに済み、直近に発車する9時20分発のケーブルが取れました。とはいえこの時点では数個の団体も入り、窓口かかりさんが奥に定員まであと何名?と聞くような状況だったので、ぎりぎり乗れた、というに近い感じだったようです。改札が始まると上の写真のようにわらわら~と乗客が乗り込み発車。多客時には増発されるあろうとはいえ、ここって結構ボトルネックかも…。

 それと、確かここって少し前までは立山開発鉄道という会社だったような。気がついたら立山黒部貫光になってます。吸収されたのかな?にしても、「観光」ではなく「貫光」っていうのがいいですよね。トンネルを貫く一条の光。

●美女平(標高977m)→室堂(標高2450m)立山黒部貫光・立山高原バス
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 さて乗り換え第2弾は高原バス。標高差はこの区間の交通機関で一番。所要50分の旅です。バスなので状況に応じて台数調整が簡単にできるようなので、ここでは全員着席で出発できました。室堂直行と途中停留所下車で改札が分けられていたのですが、これは乗車号車が違うんでしょうか?

 バスは杉の美林が目立つ専用道を行きます。つづら折りのカーブが多く、高度を稼いでいるのがよくわかります。樹齢300年を超える仙洞杉、落差日本一の称名滝など、車内から一時停車して見どころを案内してくれますが、このあたりはマイカー規制がかかっていて、例えばこの杉を直接見るためには歩きしかないとのこと。勿論周辺にはハイキングコースも整備されているとのことですが歩いている人は少ないですね。ただ、魅力的ではあります。秋なんか訪れたらいいでしょうね。ちなみにこの2つのビュースポット、室堂行きなら車窓左手です。座席は左側がいいかもしれませんね。バスが高度を上げるにつれ、次第に植生も変わり、山の斜面には灌木しか生えないようになってきます。

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 7つ曲がるという七曲道路。そのはるか向こうには富山平野と富山湾が見えます。今日で日本海にはいったんお別れ。途中の弥陀ヶ原・天狗平と少数ながら乗降があり、道路の両脇にごろごろした石が目立ち始めると、室堂はもうすぐ。ここまで天気は良かったんですが、弥陀ヶ原バス停到着の放送を聞く頃、雲が空を覆い始めます。この調子だと室堂は間違いなく曇りだろうなあ…立山の眺望を期待してたんですが、今日はどうやら無理そうです。

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 このあたりが雪の大谷らしく、毎年春のアルペンルート開通には雪のトンネルを通るバスがニュース映像で流れますが、夏にはほとんど雪がなく。あたりまえですねcoldsweats01やがて室堂到着。標高が一気に上がり、陽が差さないこともあってか、外に出ると少し肌寒い。

 実はこのアルペンルート中、室堂で時間を取るか黒部ダムで時間を取るか、ちょっと考えてたんですよね。なので、ここで時間がとれるか、ちょっと外に出てみました。

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 まず目につきのが高山植物。これはチングルマというそうです。このほかにもイワイチョウ、ハイマツなど、高山独特の植物がありました。興味のある方にはたまらないものなんでしょうね。僕は興味ないですけどw

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 うーん、立山は上三分の二が見えませんね…。とりあえずミクリガ池まで行ってみようかな。

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 やっぱりちょっと微妙…ということで、寒いしそそくさと戻ってきました。寒かったので、立ち食いスタンドでそばを食べます。630円は高いですが、この高地へ材料を運ぶんですから仕方のないことかもしれませんね。しかし麺はもちもちしておいしいし、「立山」のかまぼこが自己主張してます。そしてお冷は何と立山の湧水を使ってるんです。なんて贅沢なお冷や…。こちらは大変満足した一品でした。

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 さてここも立山黒部登山の基地的な役割を持っており、駅出口へ通じる階段には山岳情報掲示板があります。そういえば水平歩道で会ったおじいさんも、室堂から出発したって言ってました。読んでみると…昨日、黒部川の上流、上ノ廊下と呼ばれる部分で、渡渉に失敗して流され、お亡くなりになっていらっしゃる方が居ました。僕が水平歩道をぶらぶらしている間、そのはるか上流では事故が起こってたんです。改めて自然の力を思い知ります。

●室堂(標高2450m)→大観峰(2316m) 立山黒部貫光・立山トンネルトロリーバス
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 さてここからはトロリーバスです。ここも以前は普通のバスだったような…と調べてみますと1996(平成8)年にバスからトロリーバスに転換してました。日本のトロリーバスは法規上鉄道に分類されるので、室堂もトロリーバス開業に伴い、バスターミナルから駅に昇格。ということは、鉄道駅では日本最高所になるでしょうか(ロープウェイも含めると駒ケ岳の千畳敷駅の2611mが最高所)。

 さて混み具合のほうですが先ほどと少しずらした結果、若干空いてます。ただ別の台湾人ツアーとぶつかりましたがそれでも先ほどに比べれば相当空いてます。休日に比べれば有難いほどの空きよう。今日はどの交通機関とも整理券は発行してないようで、基本的には待たずに乗れるようです。

 そのトロリーバスですが、動き出すと床下からは電車の音。やっぱり不思議ですね。立山直下に交換所が設けられていて対向のトロバスと交換します。交換所があるので立山の真下で少し停車できるのが、地中ながら感動的happy01わずか10分で大観峰に到着です。

 ここにも展望台があり、晴れていればきれいに後立山連峰が望めるはずなのですが、

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 こんな感じでした。ちょっと残念。はるか下に見える黒部湖は緑色に輝いているので、ここは晴れている様子。黒部ダムで少し時間を取ることに決めました。

●大観峰(標高2316m)→黒部平(標高1828m) 立山黒部貫光・立山ロープウェイ
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 立山を越えたので、がんがん下ります。この区間はロープウェイ。定員が一番少なそうでここも混雑時はボトルネックになりそうな予感ですね。ただ、訪れた時は団体用に臨時便を頻発してましたので、混雑時はそういう対応を取るようですね。乗ってみますとここは景色がいいですねえ。眼下にはタンボ平と呼ばれる場所。鬱蒼と樹木が茂っています。秋は紅葉がきれいでしょうね。こういった景色を目いっぱい眺望できるロープウェイです。さすが景観に配慮したワンスパン方式(途中に支柱がないタイプ)!ちなみに全長1.7kmという長さは、この方式のロープウェイでは日本一の長さだそうで。

●黒部平(標高1828m)→黒部湖(1455m) 立山黒部貫光・黒部ケーブル
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 続いてケーブルカーです。次の便までは20分ほど時間があったので、駅前の黒部平園地に出てぐるりと周囲を一望してみます。やっぱり雲が多いので残念ですが、大観峰を眺めてみると、

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 居てると分かりませんでしたが、結構えらいところにありますやん…sweat01

 やがて時間になり、「はい改札始めます!」の駅員さんの声に集まってきたお客さんたち。ここも込み合うところなのですが、平日ともなればこんな感じです。このうち7割くらいは団体さんです。

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 そういえばこのアルペンルート、改札はキップに記されたバーコードを読み取る形なのですが、あれは何を管理してるんでしょうね。入山→下山の管理でしょうか。それともそこまでしていなくて、単に改札・計数だけの管理なのでしょうか。いずれにしてもそれなりの情報が入るバーコード、活用法はいろいろありそうです。

 そうこうしていると、改札口横の「関係者以外立入禁止」の札がかかった扉が開いて、腰に工具袋を提げた作業員の方が現れる。おそらくは電源設備や交通機関などの点検で山に入られた方だと思いますが、腰にはしっかりクマよけの鈴。しかも音がよく聞こえるいいほうのやつですわこれ。仕事とはいえ、クマよけの鈴が必要な職場…毎日本当にご苦労さまですsweat02

 さて黒部ケーブルはほぼ全線にわたって地下の中。何でもこれは日本でただひとつだそうで…。場所が特殊なだけに、やっぱり設備も特殊になってきますね。ケーブルは闇を下りること5分。黒部湖に到着しました。

●黒部湖(標高1455m)→黒部ダム(標高1470m) 徒歩連絡
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 やっとこ楽しみにしてた黒部ダムです!富山県中新川郡立山町芦峅寺、何と麓の有峰口駅あたりから続く字です。何て大きい…。実際には芦峅寺○○って感じになるんでしょうけれども…。

 さて黒部ダム。やってきましたよ。到達当初は雲がかかってたのですが、滞在中に晴れてきたので良かったです。堰堤を歩きます。弓状に約500m。本当に大きいです。まるで湖畔の陸地を歩いているような気分になってきます。これを人の力で造ってしまう、それが50年も前の話ですから、当時の技術力・人間力の高さに本当に驚かされます。この先も250年程度はもつだろうと言われているそうですね。本当にいい仕事をするものだと感心するばかりです。

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 堰堤を渡りきって向かったのは殉職者慰霊碑。この世紀の大工事で、171の人命が犠牲になったとのこと。今ここを歩けるのはこの人たちを始め、工事に携わったのべ1千万人のおかげ。

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 堰堤から黒部ダム駅方向です。レストハウスの上に見えるコンクリートの構造物は、ケーブルクレーンの基礎だったそう。

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 湖畔に建つ案内の柱。直線距離だと東京よりも大阪のほうが遠いんですね。

 ここでは多めに時間を取ったので、レストハウスの上に併設されているくろよん記念室で短編映画を観たり。久々にのんびりできました。

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 「名物」らしい、山イチゴソフト。

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 こちらは歴史的資料、ダム建設の際に練り上げられたコンクリートを運んだコンクリートバケットです。完成までに17万8千回も運搬に使用されたそうです。このバケットを吊り上げたフックとともに、展望台への階段わきにひっそりと展示されています。ダムの生き証人?もう少し陽のあたるところに移してあげてもいいのに、と思いますが興味のある人が少ないんでしょうね。

 さて、展望台があるのですが、ここを昇るには少々の根性が必要、しかも昨日の水平歩道行で足は結構な筋肉痛。仕方なく中腹で撮った画像が冒頭の写真です。何とか絵にはなっているでしょうか。

 再びとぼとぼ降りてきて、今度はダムの中心へ。下を見下ろしてみると…。

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 あ、低い…と思うのは、昨日水平歩道を歩いたからでしょうねcoldsweats01このダムで高さ186m。少し高さの感覚、麻痺してます。観光放水が行われているのでそこに光があたって虹が出て、何とも言えない美しさでしたよ。

●黒部ダム(標高1470m)→扇沢(標高1433m)関西電力・関電トンネルトロリーバス
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 3時間ほど居たでしょうか。引き続き歩みを進めます。地下式の黒部ダム駅に入ると、冷気が何とも心地いい。室堂とは違い、外はかなり暑かったんですよね…。さて意外と電車チックなトロリーバス、今度は並んで先頭に座ってみることに。

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 運転台です。車内はバスそのものですね。いよいよ出発です。こちらも立山トンネルトロリーバス同様、単線で、やはり中間地点少し扇沢寄りに交換所があります。交換所に差し掛かると、対向の黒部ダム行きが先に着いていて、隊列?を組んで待っていました。交換所を過ぎるとやがて富山・長野県の県境。黄色い標識灯が付いていました。いよいよ長野県に突入~!!

 そしてその県境を過ぎてすぐ、今度は破砕帯の通過です。この破砕帯は「黒部の太陽」で有名になりましたね。破砕地がある=(活)断層がある、ということで、立山トンネル同様、このルートが複雑な地形を貫いていることがよくわかる一コマです。この80mを掘り進めるのに実に7カ月も要したのだそうです。今は難なく通り抜けていますが、その陰には関係者の多大な努力があったのですね。感謝しないといけません。

 トンネルの中なのにイベントが多い関電トンネルバスに乗ること15分。扇沢に到着。ここはホームが地上にあり、陽光の下でトロリーバスを撮影できるのは、ここだけかもしれません。

●扇沢(標高1433m)→信濃大町駅(標高713m) 川中島バス・路線バス
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 狭義のアルペンルートは立山駅~扇沢駅までの間を指すそうで、そういう意味ではこのルートからは外れるのですが、地鉄も入れましたので一応こちらも入れておきます。しかしすでに消化試合な雰囲気coldsweats01昨日の疲れもあってか、バスの中ではウトウト。気が付いたら大町市内。しばらくして、小雨降る信濃大町駅に到着しました。

 今回、室堂はじめ立山山頂近くでの天候が残念でしたが、初めてのアルペンルート。良かったです。当然、富山県から他県を経ずして長野に至ったのは初めてでして、富山と大町、知っている両方の町を新しいコースで結ぶと、なかなか新鮮な気分が味わえますね。

 心地よい疲れとともに、松本のホテルにチェックインしました。

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