3000系復元にみる「京阪電鉄という会社」
先日、京阪の「ファミリーレールフェスタ」に行ってました。自分の中のメインは元3000系(現8000系8030番台)の展示です。この元3000系、齢40年を超える車両とあって、更新工事がなされ、登場当時とは顔つきが少し変わっています。
こちらが現行の姿。ところがこの車両、来年の引退が決まりまして、中4日の工期で、登場当初の姿にかなり近いものに復元されました。
これがこちら。鳩マークの復元はもちろんのこと、車号(ステッカーじゃないんですよ)や貫通路の渡り板も元に戻されています。
復元された部分のアップです。左下に目立たなく小さく書かれているのは現車号です。渡り板のあるなしで、結構印象って変わるもんです。ただし、復元されたのは前面のみで、側面の車号はそのまま。
…車両の復元やリバイバル、旧塗装などに戻す…最近あちこちの鉄道会社でよくやっていますよね。ただ、ここまで戻す例って、なかなかないような気がします。車号も管理上面倒でしょうし、特に渡り板などは、一度不要と判断されて撤去されたものです。戻すのもお金かかりますし、普通はしないことだと思います。何でここまで…って思いますよね。
この、元3000系といえば、テレビが搭載された車両。「京阪と言えばテレビカー」という、会社のイメージ形成に大きく寄与した車両です。このフラッグシップ的な車両が引退するにあたって、それに相応しい復元を施す。賛否は色々とあるでしょうが、この復元の態様というのは、京阪電鉄の中の人の、この車両に対する最大の尊敬と労りの念の表れなのだと思います。
…と、ちょと持ち上げすぎた感がありますが、この事実が表すように(表すのかどうかは想像の域を出ませんが)、この会社、いわゆる「中の人」に鉄い人がもの凄く多いように思います。義弟が勤めていたり、知り合いも居たりで他社よりは近い距離にあるから余計にそう思うのかもしれませんが、年がら年中自社商品(京阪電車)の写真撮ってたりとかいう人、本当に多いです。そして、それらがこの会社の企画に出てるような気がするんですよねえ。
具体例を示しますと。
上の画像、この夏にあった、シールを集めて台紙に貼り全部揃えるとカードがもらえるという「シールラリー」の台紙です。フリー切符が撮影に便利だったので何回か購入したのですが、
これが中身。企画の内容、台紙のデザインなど、妙に構成がファンにキャッチーなんですよね。
あと、ポスターなんかもそうだったりするのですが、通に受けそうというか、「これ絶対鉄道好きな人がつくったやろ」と容易に推測できるものが多いんです。ファンライクな会社、という印象を受ける人も多いでしょう。それは、他ならぬ中の人がファンそのものだからなのではないだろうか、最近そう思います。
ひょっとすると今回の旧3000系の復元だって、リスペクト以前に、「単に中の人が引退前に元の姿を見てみたかったから」というのが真相だったりして
でもってこんな感じだから、乗務員さんや駅員さんに愛想の良い人が多いんじゃないか、と思います。というかあの人ら、ほんと趣味で電車走らせてるのかもしれません素晴らしき愛社精神
…地元の鉄道会社がこの会社とは割と対極の位置にいるというか、まあ淡々としているというか、リバイバルで旧塗装に戻した電車を走らせた時も、最初は公式ホームページに運用予定を載せていたのですが、そのうちめんどくさくなったらしく更新しなくなった挙句突然終了したりとか(笑)、そんな会社なので余計気になってしまうのかもしれませんね。
まとまりなく書いてしまいましたが、そっちのほうで個性的な人が多いっぽい=個性的な会社、のような気がします。京阪電鉄に乗られる際は、そのへん少し気にして乗ってみてください。多分運転にかかわる人、ちょっと誇らしげに、そしてちょっと嬉しそうに仕事してると思います(笑)
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